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年次有給休暇の管理~ユニークな休暇制度も参考にしよう~

気がつけば年末まで1ヶ月あまり。2022年は、少しずつリアルのイベントが再開された年でしたね。また、世界的にも日本の政界においても大きな出来事が起こりました。
社内では、忘年会や大掃除などの行事が予定されていることもあるでしょう。お客さま向けに販促イベントを行うこともあったりと、何かと慌ただしくなりますよね。
年次有給休暇の年度を1月〜12月に設定している会社さまもいらっしゃるのではないでしょうか。「年次有給休暇の時季指定義務」がスタートしたことから、従業員一人ひとりの取得日数をチェックしなければなりません。
そこで今回は、年次有給休暇の管理や取得促進の施策、さまざまな休暇制度について紹介します。

①年次有給休暇の取得状況はどう管理する?

2019年4月より「年次有給休暇の時季指定義務」が始まったことから、年次有給休暇の付与日数だけでなく、取得状況も管理しなければならなくなりました。
年次有給休暇の時季指定義務とは、年10日以上の年次有給休暇が付与される従業員に対して、年5日については会社が時季を指定して取得させる必要があるという制度です。
従業員自身が年5日取得できているかどうかをチェックするよう指導されているケースもあるのではないでしょうか。
取得状況の管理にあたっては、会社に「年次有給休暇の管理簿」を作成・3年間保存することが義務づけられています。

【有給取得日数の管理法】
*従業員数が少なければ、エクセルでの管理で十分だと考えます。厚生労働省でも年次有給休暇取得管理台帳の参考フォーマットが公開されています。
参考:厚生労働省「年次有給休暇取得管理台帳」(直接エクセルファイルがダウンロードされます)
*お使いの給与計算システムによっては、自社の年次有給休暇制度の内容を細かく設定できるでしょう。効率的な管理方法についてシステムの提供元に問い合わせてみてはいかがでしょうか。
*従業員の自主的な取得に任せている場合は、給与明細に残日数を記載するのも一つの方法です。

②年次有給休暇の取得を促進するには?

厚生労働省の「令和4年就労条件総合調査」によれば2021年の年次有給休暇取得率は58.3%と、過去最高となりました。従業員1人の平均取得日数は10.3日となっています。
年5日以上の取得を達成するには、従業員にある程度取得を促進し、また取得できる体制を整えなければなりません。
たとえば、年次有給休暇の取得促進策には、以下のようなものが挙げられますので参考にしてください。
• 社内の情報共有・コミュニケーションを徹底・促進する
• 「全員◯日以上取得する」等の目標値を設定する
• 他部署の業務もカバーできる体制を整える
• 計画的付与制度を活用する

<社内の情報共有・コミュニケーションを徹底・促進する>
業務が属人的(ある業務を担当している従業員がいなければ当該業務を遂行できない状態)になっていると、全員が年次有給休暇をまんべんなく取得するのは難しいものです。属人性を解消するには、定期的に全体会議を開いたり、マニュアルを作成・整備したり、チャットツールを導入してコミュニケーションコストを削減したりすることが有効だと考えられます。

<「全員◯日以上取得する」等の目標値を設定する>
「年5日取得できているかチェックしなければならない」とネガティブな取り組み方をするよりも、「全員◯日以上取得する」等の目標を達成できるかどうか、ポジティブに捉えてみるのはいかがでしょうか。「有給休暇取得奨励日」をつくって取得を促すという方法もあります。

<他部署の業務もカバーできる体制を整える>
専門性の度合いや従業員数によっても実現性の高さは異なりますが、会社全体・部署全体で他業務をカバーできる体制を整えることも考えられます。従業員を多能工化できれば、誰か1人が休んでも業務を止める必要はありません。このためには、情報共有とコミュニケーションの活性化も重要です。

<計画的付与制度を活用する>
年次有給休暇を確実に取得させる方法として定番なのは、計画的付与制度を活用することです。計画的付与制度とは、労使協定を締結して年次有給休暇の5日を超える部分の取得日を計画的に割り振る仕組みのことを指します。主に、会社全体での一斉付与、部署別の交代制付与、個人別付与の3パターンに分けられます。

*なお、10月の「年次有給休暇取得促進期間」に引き続き、厚生労働省では冬季における年次有給休暇の取得促進を呼びかけています。
地域ごとの取り組み事例などをご覧になりたい方は、以下の特設サイトをチェックしてください。
参考:厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」

③こんなにある!さまざまな休暇制度

上記に紹介した、労働基準法で付与が義務づけられている「年次有給休暇」のほかに、各会社でさまざまな休暇制度が導入されています。
いわゆる「特別休暇」を工夫することによって、年次有給休暇の取得を総合的に促進できるほか、それぞれの社風が現れるため求人など社会的なアピールにもつながります。
たとえば、以下のような特別休暇があります。

  • 家族と過ごすための休暇(お祝い・看護など用途自由)
  • 育児・介護・治療との両立を支援する休暇
  • 健康管理のための休暇
  • キャリアアップを支援するための休暇
  • ボランティアのための休暇
  • ワーケーション

<家族と過ごすための休暇(お祝い・看護など用途自由)>
家族と過ごすための休暇を設ける際に用途を自由にすることには、「用途が限定されていると使いにくい」という従業員からの意見が反映されています。
確かに、たとえば「看護のための休暇」と限定されてしまうと、センシティブな情報が周囲に伝わってしまうことを心配する方もいるかもしれません。

<育児・介護・治療との両立を支援する休暇、健康管理のための休暇>
育児・介護などの家族のケアを目的とした休暇はメジャーになってきましたが、治療や健康管理などの従業員自身のケアも会社の資産として考える「健康経営」を実践する会社も増えてきています。

<キャリアアップを支援するための休暇、ボランティアのための休暇>
従業員には主体的にキャリア・生き方を考え、個人個人が能力・強みを磨いていってほしいと考える会社では、キャリアアップを支援するための休暇やボランティアのための休暇を設けている事例もあります。

<ワーケーション>
「ワーケーション」という言葉を見聞きする機会も増えているのではないでしょうか。
ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を組み合わせた造語で、休暇期間中にテレワークを認める制度のことです。
長期休暇が取りやすくなる、年次有給休暇取得の心理的なハードルを下げるといったメリットがあります。
ただし、上記の特別休暇とは異なり、ワーケーションは就労した日における労働時間の管理が必要です。制度設計や規定の整備も必要になるでしょう。

*なお、特別休暇は労働基準法の最低基準を上回る措置なので、会社で自由に整備することができます。有給・無給は問われません。
参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

2022年8月の記事で紹介したアンケート調査では、従業員が会社に積極的に取り組んでほしい福利厚生施策ジャンルの第1位が「休暇」という結果となっています。
従業員の声を定期的に聞いて改善を繰り返すことが、従業員から支持される特別休暇制度に整えていくことのポイントになるでしょう。
本記事を参考に、年次有給休暇の管理とともに、ぜひ自社の休暇制度の見直しに取り組んでみてください。

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